« 水没車輌の修復(1) | Main | 水没車輌の修復(3) »

August 27, 2011

水没車輌の修復(2)

 かつてダイカストのシーズンクラックというのがありましたが、これはダイカスト合金の管理状態が悪いと水酸化亜鉛が発生してそれを含んだままキャスティングされ、経年によりもろくなって割れるのだそうです。今回は海水に長く浸かっていたためにダイカストの亜鉛成分が海水と反応して水酸化亜鉛が生じたものと思われます。水に溶けないこと、白色であることから水酸化亜鉛だろうと推定しました。
 水酸化亜鉛は、希酸かPH 11以上のアルカリで溶融するとのことなので、手持ちの該当品を探したところ、塗装前の洗浄工程で使用するリン酸系のラストリムーバー(錆取り剤)がありました。赤錆や緑青のようなものもあったので、それらの剥離も期待して、これで試してみました。
 結果は上々で、動輪や先輪を2,3倍に薄めたラストリムーバーに浸けると、細かい泡を発生して水酸化亜鉛が解け出し、きれいになくなりました。ただし、ダイカストの表面は荒れた状態になってしまいました。表面の亜鉛成分がなくなったためと思います。肉眼ではそれほど目立ちませんが、写真を拡大するとかなりひどい状態です。
Afterdourin
 真鍮部分は水酸化亜鉛と緑青が入り混じったようになっていましたが、ラストリムーバーによりほぼ完全に除去できました。赤っぽくなったのはダイカストと同様に真鍮表面の亜鉛成分が少なくなったためと思われます。
Afterframe
 水酸化亜鉛らしい付着物、緑青などは除去できましたが、車輪はダイカスト輪芯の肌荒れ問題と、今後経年で悪化する恐れがあるので交換したほうが良さそうです。

|

« 水没車輌の修復(1) | Main | 水没車輌の修復(3) »

Comments

ご苦労様です。宮沢の動輪は在庫がありましたので、必要ならいつでもお送りしますのでお申し付けください。

Posted by: コン | August 28, 2011 09:35 AM

ありがとうございます。
お願いすることになりそうです。別途メールしますのでよろしくお願いします。

Posted by: 中村 | August 28, 2011 10:33 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 水没車輌の修復(1) | Main | 水没車輌の修復(3) »